2013/01/23

漫画『クロサギ』作者・夏原武が警告! 今年は“薄利多売詐欺”に気をつけろ


http://wpb.shueisha.co.jp/2013/01/18/16636/
漫画『クロサギ』作者・夏原武が警告! 今年は“薄利多売詐欺”に気をつけろ
[2013年01月18日]

雑誌編集者を経てノンフィクションライター、マンガ原作者として活躍中の夏原武氏が今年の詐欺のトレンドを予想する!

芸能人のブログ掲載で話題になったペニーオークションサイトの手数料詐欺など、あの手この手を使い進化する詐欺の手口。詐欺をテーマとした大人気コミック『クロサギ』の原作者である夏原武氏に、今年増えると予測される手口を聞いた。

最近は将来への不安と長引く低金利時代にのっかり、投資系詐欺の手口に変化が現れている。以前は大口の儲け話をエサに被害者から短期間に財物を吸い取る“ヒットアンドアウェー方式”が主流だったが、最近はそんなおいしい話にだまされる人も少ない。

逆に近年は、数%の配当金を実際に払うなどしばらく「泳がせ」つつ、出資者を増やして長く大きく稼ぐ“薄利多売方式”が目立つようになっているという。

たとえば、2011年に破綻し目下、係争中の安愚楽牧場。被害者数は7万4000人、被害総額4208億円に上る。「オーナー」に繁殖牛を購入させ、購入価格の3%から8%以上を毎年還元するという投資スキームだが、実態は完全に自転車操業だった。

事件化する前から多くの識者により問題を指摘されていたが、民主党の海江田万里・新代表が、かつて「リスクはゼロ」(『女性セブン』1992年7月2日号)と語るなど、同社の広告塔として活躍していたことは忘れるわけにいかない。

この安愚楽牧場のようなパターンが、かたちを変えて増えてくると夏原氏は警告する。

「今年、発生するのではと思っているのは『マグロ養殖詐欺』。今年4月には近畿大学の養殖マグロを使った専門料理店が大阪にオープンしますし、養殖マグロビジネスはこれから大きくなる分野。詐欺師は絶対に新たな動きを見逃さない」

さらに、市場状況も養殖マグロへの投資に説得力を与えているという。

「昨今は、中国市場にマグロを奪われるなど安定供給が危ぶまれている状況。これも詐欺師にとっては追い風になる。『このマグロ危機を救うのは養殖だ。あなたの投資は日本の食卓を救う上、確実に儲かる』と言えば、ひっかかる人も多いはずです」

また、夏原氏はネットの普及に伴う情報の氾濫に苦言を呈する。

「暴力団の本格参入に加え、中国マフィアとの協力体制の構築、手口の複雑化など、詐欺の世界はだましのスキルがますます向上しています。その一方で、だまされる側はネットサービスに慣れることで『無料』であることへの警戒心があまりに薄くなり、SNSでは個人情報をダダ漏れさせ、さらに既存メディアは嫌うのにネットに書かれてある不確かな情報はうのみにする『自分を情報強者と思い込んでいる情弱』が増えている。これでは詐欺はなくなりません。僕は詐欺を減らしたいという思いもあって『クロサギ』の原作を書いているんですけども、ホント、なんだかむなしくなります」

今年は詐欺師の高笑いの聞こえない年になればいいのだが……。

(取材・文/コバタカヒト)

■週刊プレイボーイ3・4合併号「2012年の詐欺を振り返り、2013年の詐欺を展望する!!」より

民主党もうダメだ~ 新代表は提訴寸前、元代表たちは内輪モメ


http://gendai.net/articles/view/syakai/140552
民主党もうダメだ~ 新代表は提訴寸前、元代表たちは内輪モメ
【政治・経済】
2013年1月19日 掲載

それでも政党交付金85億円

「貧すれば鈍する」とはこのことか。民主党の新代表となった海江田代表が、経営破綻した安愚楽牧場への出資を推奨していたとして、一部の被害者から損害賠償を求められていることが明らかになった。2月5日の協議で和解が成立しなければ、東京地裁に提訴されるというから穏やかではない。

 問題は、93年の初当選前までさかのぼる。経済評論家としてテレビや雑誌で活躍していた海江田は、同牧場について「高利回りの利殖商品」と紹介。「元本は保証付き」と出資を勧める記事を書いた。そのため、記事を読んで出資した被害者94人から、総額1億5000万円の賠償を求められる事態になっているのだ。

 なんともみっともない話だが、醜態をさらしているのは新代表だけではない。菅元代表は、中国で「尖閣は係争地」と発言した鳩山元代表について、「考えて発言する必要がある。歴代総理もそうしているはずだ」とブログで糾弾した。なるほどご立派な意見だが、首相時代に退陣時期をめぐる発言などで、たびたび世間を惑わした男が何をエラソーに言っているのか。

 だいたい、この手の内輪モメに国民はウンザリし、民主党に引導を渡したのだ。そのことが、まだ分からないらしい。

 代表代行まで務めた仙谷元官房長官も、自らの著書で脱原発デモに参加した鳩山や、原発ゼロを掲げた菅について「賛成できない」と批判した。落選してもなお仲間を叩き、「正しいのは自分だ」と主張する。救いがたいトンマぶりだ。

 上から下までダメな党。それでも今年もベラボーな税金が支払われる。衆院選の惨敗でほぼ半減とはいえ、政党交付金は85億円を超える見込みだからイヤになる。
 政治評論家の山口朝雄氏が言う。

「惨敗したとはいえ野党第1党です。それなりに存在感を発揮すべきですが、経済政策で押せ押せの自民党を前に萎縮し、沈黙している。その上、目立つのはスキャンダルや内輪モメばかりでは、存在意義すら疑われます。今後も足の引っ張り合いを繰り返し、バラバラになる公算は大。7月の参院選まで持たないかもしれません」

 それならそれで結構。一日も早く解党すべきだろう。

安愚楽牧場 出資金の一部を返金へ


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130122/k10014984871000.html
安愚楽牧場 出資金の一部を返金へ
1月22日 20時54分

和牛オーナー制度で7万人を超える会員を集めて経営破綻した畜産会社「安愚楽牧場」の2回目の債権者集会が、22日、開かれ、破産管財人の弁護士が、ことし中に債権者への返金を始めたいと説明しました。

栃木県那須町に本社がある「安愚楽牧場」は、繁殖用の牛への投資を募り、生まれた子牛を買い取って出資者に配当する「和牛オーナー制度」で成長を続け、会員は全国で7万人を超えましたが、おととし8月、4000億円を超える負債を抱えて経営破綻し、破産の手続きが進められています。
22日、2回目の債権者集会が東京・千代田区で開かれ、会場の日比谷公会堂にはおよそ1000人の債権者が集まりました。
被害対策弁護団などによりますと、集会では、破産管財人の弁護士が、原発事故で牛肉の価格が下落したことに対する東京電力からの賠償金や、安愚楽牧場が納めていた税金の還付金、それに、所有していた不動産の売却などでおよそ210億円が回収できるという見通しを明らかにしたということです。そのうえで、破産管財人は、ことし中に債権者に対する返金を始めたいと説明したということです。
集会に参加した74歳の女性は「出資した額には全く届きませんが、少しでもお金が戻ってほしいと思います」と話していました。

安愚楽配当資産、消費税還付で210億円に増加


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130122-OYT1T01215.htm
安愚楽配当資産、消費税還付で210億円に増加
(2013年1月22日22時31分  読売新聞)

 和牛オーナー制度を展開し2011年に経営破綻した「安愚楽牧場」(栃木県那須塩原市、破産手続き中)の第2回債権者集会が22日、東京都千代田区の日比谷公会堂で開かれ、債権者に対し破産管財人から配当資産が当初の見込みより多い約210億円になることが伝えられた。

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)が明らかにした。

 弁護団によると、当初、配当資産は約23億円にとどまるとされていたが、11年までに納付した消費税のうち約172億円が還付されたという。負債総額は約4272億円に上っている。

回収資産5%の見通し 安愚楽牧場、債権者集会で説明


http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013012201001933.html
回収資産5%の見通し 安愚楽牧場、債権者集会で説明
2013年1月22日 19時53分

 和牛オーナー制度が行き詰まり、4千億円超の負債を抱えて破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)をめぐり、債権総額に対して回収できる資産は5%程度になる見通しであることが22日、分かった。同日開かれた第2回債権者集会の後、被害対策弁護団が明らかにした。

 破産管財人の資料によると、消費税約172億円の還付などで、現時点での資産は約192億円。加えて和解仲介手続き中の東京電力福島第1原発事故の損害賠償として約20億円も支払われる見込みという。
 前回昨年5月の債権者集会で説明した資産約23億円から大幅大幅に増えた。届け出債権は総額約4272億円としている。


民主・海江田代表「安愚楽牧場」投資推奨で窮地 「情勢変わり評論効力なくなった」と言うが…


http://www.j-cast.com/2013/01/19161930.html?p=all
民主・海江田代表「安愚楽牧場」投資推奨で窮地 「情勢変わり評論効力なくなった」と言うが…
2013/1/19 18:38

   民主党の海江田万里代表が、2011年8月に経営破たんした「安愚楽牧場」をめぐる問題で窮地に追い込まれつつある。
   安愚楽牧場の出資被害者は全国で約7万3000人、出資金額は約4300億円にのぼる。その大半は返還されない見通しで、一部の被害者が旧経営陣らを詐欺容疑などで刑事告訴している。海江田代表も経済評論家時代に「元本は保証付き」などと、出資をすすめる記事を執筆していて、その責任が問われている。

あたかもリスクがないかのように記述していた

   安愚楽牧場は「和牛オーナー制度」(和牛預託商法)を売りものに、経営破たんする直前まで、出資金を募っていた。その制度については、テレビや雑誌、書籍などで広く紹介されており、その中には出資を推奨するものもみられた。
   安愚楽牧場に出資した約6400人の被害者から依頼を受けた、全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は2012年12月28日、民主党の代表に就任した海江田氏に対する声明を発表。それによると、海江田代表が「経済評論家」として多くの雑誌や書籍で安愚楽牧場の和牛預託商法を紹介していたことを取り上げている。
   たとえば、
「元金確実で、しかも年13.3%と考えれば、他の金融商品はまっ青!」(「今どうすれば一番損をしないか‐このままではいると5年で、はだか同然」1987年6月、青春出版社)
「和牛の死亡率は0.4%と低く、また万一そのような事態があっても代わりの牛が提供されるので、契約どおりの利益は保証されます」(「BIGMAN」1988年3月号) 「知る人ぞ知るといった高利回りの利殖商品」「むろん元本は保証付き」(「海江田万里の金のなる本」1989年8月、双葉社)
「この利益は申し込み時に確定していて,リスクはゼロ」(「女性セブン」1992年7月2日号)
「利益は申し込みをした時点で確定していますから,リスクもありません。」(「月刊DoLive」1992年9月号)
などと、あたかも元本保証がされ、リスクがないかのように記述していた。

和解の成立なければ、提訴も
   弁護団によると、被害者の中には、「経済評論家」である海江田代表の記事や書籍を信用して安愚楽牧場に出資をした者が多数いるという。さらに同氏が国会議員に転身したことでより信頼し、出資したり出資額を増やしたりした被害者すらいる。「その責任は重い」としている。
   弁護団は、出資被害者で海江田代表の記事や書籍をきっかけに安愚楽牧場に出資した人のうち94人を申立人として、海江田氏に損害額である約15億8300万円の10%にあたる約1億5800万円について、賠償に応じるように求める民事調停を2012年6月18日に東京簡易裁判所に申し立てている。
   しかし、3回にわたる調停で、海江田代表は当初から一貫して責任を認めていない。「記事を執筆したときと日本の経済情勢がまったく異なり、評論の効力はなくなった」との主張だ。
   このままだと、次回期日(2013年2月5日)の調停も不調になることが見込まれる。毎日新聞(13年1月18日付)によると、次回の調停が不調に終わった場合、94人のうち約30人が東京地裁に提訴する、という。

海江田氏を提訴も 評論家時代「安愚楽牧場」への出資推奨 


http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130118/plt1301181215001-n1.htm
海江田氏を提訴も 評論家時代「安愚楽牧場」への出資推奨 
2013.01.18

 民主党の海江田万里代表が民事提訴される可能性が出てきた。和牛オーナー制度で約4200億円もの出資金を集めて、一昨年8月に経営破綻した「安愚楽(あぐら)牧場」への出資を、経済評論家時代の海江田氏が頻繁に勧めていたとして、一部被害者が損害賠償を求めて東京簡裁に民事調停を申し立てているが、全国安愚楽牧場被害対策弁護団は次回協議(2月5日)で和解が成立しなければ東京地裁に提訴する方針というのだ。毎日新聞が18日報じた。

 弁護団はHPで「海江田氏は、和牛預託商法の危険性を認識し、リスクを示すべき立場にあったが、漫然と安易に安愚楽牧場を紹介し続け、執筆料等の利益と便益を享受してきた」などと指摘。海江田氏は同紙に「損害賠償責任を負うものではない」と代理人を通じて返答している。

2013/01/14

詐欺容疑で安愚楽牧場社長ら告訴


http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130108-1069496.html
詐欺容疑で安愚楽牧場社長ら告訴
[2013年1月8日17時45分]

 和牛オーナー制度が行き詰まり経営破綻した畜産会社、安愚楽牧場(栃木県、破産手続き中)に出資金をだまし取られたとして、群馬県の出資者7人が8日、三ケ尻久美子社長と、増渕進元専務を詐欺容疑で群馬県警に告訴した。

 群馬県の被害対策弁護団によると、同社は2011年4月ごろには経営が悪化していたにもかかわらず、社長らは同年7月、7人とオーナー契約をして計856万円をだまし取ったとしている。

 弁護団によると、千葉県や大阪府などの出資者も各地の警察に詐欺容疑などで告訴・告発している。(共同)

安愚楽牧場の広告、海江田氏「いま感想を聞かれても」


http://media.yucasee.jp/posts/index/12671
安愚楽牧場の広告、海江田氏「いま感想を聞かれても」
最終更新:2012年12月25日 16時25分

 民主党の新代表になった海江田万里氏が25日の会見で、経済評論家時代に安愚楽牧場について週刊誌などのPR欄で登場していたことに対して「二十数年前に自分のお金を出してやっていたこと、今ここで感想と言われてもお答えできない」と述べた。

 経営破たんして民事再生法の適用を申請した和牛預託商法の安愚楽牧場。7万人にも上るオーナーがいたこともあり、昨年、大きな社会問題となった。

 海江田氏は過去に、女性セブン(92年7月2日号)には「リスクはゼロ」とまで言い切ってしまっている。また、SAPIOでは、競馬の共同オーナーと比べて、和牛は賞金を獲得しなくても配当は確実に入ってくるという説明も行っている。


 安愚楽牧場の広告に登場し、またパーティーへの出席もあったという。「それはまたあとで、お話をしたいと思う」としたが、基本的には「終わったということ。それだけのこと」と片づけた。

安愚楽牧場被害弁護団が海江田氏に声明送る



http://media.yucasee.jp/posts/index/12701
安愚楽牧場被害弁護団が海江田氏に声明送る 
最終更新:2012年12月28日 17時25分

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団は28日、民主党の新代表に海江田万里氏が就任したことを受けて、「海江田万里氏の民主党代表就任に対する声明」を本人と民主党に送付した。また、自公の両党にも送付した。

 声明文では、海江田氏が評論家だった時代に安愚楽牧場を、さもノーリスクの投資商品であるかのように推奨したことについて、「専門家としての立場を併せて考えれば,責任は重大です」と触れている。

 弁護団によると、そうした過去の主張には次のようなものがあるという。

・「13.3%の高利回りは驚異的だ」「元金確実で,しかも年13.3%と考えれば,他の金融商品はまっ青!」(書籍・「今どうすれば一番損をしないか」)

・「和牛の死亡率は0.4%と低く,また万一そのような事態があっても代わりの牛が提供されるので,契約どおりの利益は保証されます」(雑誌・「BIGMAN」昭和63年3月)

・「知る人ぞ知るといった高利回りの利殖商品」「むろん元本は保証付き」
(書籍・「海江田万里の金のなる本」)

・「この利益は申し込み時に確定していて、リスクはゼロ」
(雑誌・「女性セブン」平成4年7月2日)

・「利益は申し込みをした時点で確定していますから,リスクもありません。」
(雑誌・月刊「ドリブ」平成4年9月)

 また、弁護団は被害者約6400人の依頼を受けているが、その被害合計の15億8288万1000円の10%にあたる1億5828万8100円について、賠償に応じるよう調停を東京簡裁に申し立ててもいるが、海江田氏は応じていない。

 安愚楽牧場は昨年8月に、配当、預託金返還が困難となり事実上破綻。現在は破産手続が進められている。被害者は7万人以上で、総出資額は約4300億円に上るとも言われている。


破綻の安愚楽から献金 自民西川氏の政党支部


http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012122801001808.html
破綻の安愚楽から献金 自民西川氏の政党支部
2012/12/29 02:00   【共同通信】

 自民党の西川公也衆院議員(70)が代表を務める同党栃木県第2選挙区支部が、昨年8月に破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)から少なくとも2006~10年に計125万円の献金を受けていたことが28日、政治資金収支報告書で分かった。秘書を務める長男(41)が破綻直前まで2年間近く同社顧問を務め、報酬を受け取っていたことも判明した。

 消費者庁の昨年の調査では、同社は遅くとも07年3月以降、飼育していた繁殖牛が、オーナーと呼ばれる出資者との契約数に満たない状態だった。複数の元社員は、同時期には出資金を配当に充てる「自転車操業」だったと認めており、一部が献金にも回っていた形だ。

民主党とはもう誰も手を組まない 夏の参院選惨敗で「消滅」のシナリオ


http://www.j-cast.com/2013/01/09160737.html?p=all
民主党とはもう誰も手を組まない 夏の参院選惨敗で「消滅」のシナリオ
2013/1/ 9 18:50

   衆院選で惨敗し、野党に転落した民主党。巻き返しを図るには日本維新の会やみんなの党との共闘が欠かせないが、両党からは冷たく突き放された。
   新代表に就任した海江田万里氏にも、暗雲が垂れこめる。「和牛預託商法」で数多くの出資者を集めながら経営破たんした「安愚楽牧場」について、かつて「宣伝役」を務めていたことに被害者側から責任を追及されているのだ。

維新幹事長「絶対無理」と言い切る

海江田代表は野党共闘に前向きだが

   民主党幹部は年明け以降、相次いで野党共闘を呼び掛けている。海江田代表は2013年1月7日に開かれた党役員会で、「他の野党との協力も必須」と述べた。細野豪志幹事長は日本維新の会の名前を挙げて、「協力できなければ自公を利するのは明らか」と強調した。輿石東参院議員会長も、夏の参院選に向けて野党間の候補者調整に意欲を示している。
   維新の橋下徹代表代行も、1月4日の記者会見で「みんなの党だけでなく、民主党の一部の人たちともまとまるべきだ」と主張。早くも両党で連携の動きか、と見えるが実際は厳しそうだ。維新の松井一郎幹事長は、交渉のテーブルにはつくものの協力には否定的な見解を示したからだ。党綱領の「維新八策」で公務員改革と教育改革を掲げるが、民主は公務員労組の支持を受けているうえ、参院を仕切る輿石氏は日本教職員組合出身。改革に積極的にはならないと見て、松井幹事長は「(協力は)絶対無理」と言い切ったという。
   1月9日放送の情報番組「ひるおび!」(TBS系)に出演したみんなの党・江田憲司幹事長は、橋下代表代行が「民主党の一部の人たち」と発言した点に注目。「労組依存じゃない人と一緒にやりたいとの気持ちではないか」と推測し、名指しこそしなかったが、民主の「参院のドン」に象徴されるような労組依存体質が、政権担当時に行政改革や天下り廃止を徹底できなかった「元凶」と指摘した。
   では、みんなの党はどうか。渡辺喜美代表は、民主と「一致できる政策はある。それを前提に(参院選の)1人区で共闘を考えたい」と発言していたと番組で紹介された。江田幹事長は渡辺代表の真意について、「今の段階では民主含め、えり好みせず交渉する」と話す一方、消費増税を巡るいわゆる「民自公」の3党合意を民主の新執行部がどう進めていくかにかかっているとした。みんなの党は衆院選で消費増税凍結を掲げており、民主が歩み寄らない限りは手を結ばない考えだ。
   別のみんなの党幹部は読売新聞の取材に、「民主とは戦う」「民主と連携した瞬間に民意が離れる」と、はっきりと「別路線」を打ち出していた。

「安愚楽牧場」弁護団が海江田氏に1億6000万の賠償請求

   民主の新執行部にも不安要素がある。代表の海江田氏が経済評論家だった1990年代に、「和牛預託商法」の安愚楽牧場を宣伝するような記事を続々と執筆していたのだ。この牧場は多くの人から出資を募ったが経営に行き詰って2011年に民事再生法を申請、多額の負債を抱えて破たんした。
   海江田氏は「サンデー毎日」1990年7月22日号の「モーモー牛さんも財テクの対象に」という記事で、自らも安愚楽牧場(当時は安愚楽共済牧場)で和牛のオーナーになっていると説明。「単純計算すれば年平均10%の利回り」を「財テクとしてはまずまず」と評価し、「会員になりたいと思った人」向けに牧場の連絡先まで記した。「SAPIO」1990年8月23日号や「女性セブン」1992年7月2日号でも、読者を勧誘するかのように「貯蓄より有利と評判」「リスクはゼロ」などと安愚楽牧場の商法を称賛している
   こうした行為について、紀藤正樹弁護士を団長とする「全国安愚楽牧場被害対策弁護団」は2012年12月28日付で「海江田万里氏の民主党代表就任に対する声明」をウェブサイト上で発表した。海江田氏がかつて安愚楽牧場の商法について「あたかも、元本保証がなされ、リスクがないと述べていました」と指摘。
   経済評論家として「安愚楽牧場の和牛預託商法の危険性を認識できた」はずが、逆に「宣伝役」に回った点を批判したうえで、6月18日に海江田氏に対して1億5828万8100円の賠償に応じるように求める民事調停を東京簡易裁判所に申し立てた。その後3回の調停が行われたがいずれも不調に終わり、4回目が2013年2月5日に予定されている。民主党代表に就任したのを機に、改めて「責任を認め,誠実な対応をすることを求める」とした。
   野党との連携に見込みが立たないうえ、代表自身が社会的責任を問われる立場――。散々な状況の民主党に、今夏の参院選に勝機はあるのか。1月8日付「夕刊フジ」では早くも参院選の結果を予想した。現在、民主は88議席で第1党だが、改選される46議席のうち獲得できるのはわずか17議席、非改選と合わせても59議席にとどまり、大勝するとみられる自公の半数程度に落ち込むという。さらに獨協大・白鳥令名誉教授の分析として、「民主がダメだというのは国民の間で定着している」「離党者が続出して、選挙後には民主党は消滅するだろう」との見方を紹介した。

2013年、詐欺師の手口はこれだ! 振り込め詐欺から環境・エネルギー系、ニセ科学まで要注意


http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20121226/335189/
2013年、詐欺師の手口はこれだ! 振り込め詐欺から環境・エネルギー系、ニセ科学まで要注意
2012年 12月27日

 原稿を書こうとしていたら民主党の代表選が放映されており、海江田万里氏が選ばれた。記者会見の質疑で共同通信が安愚楽牧場との関わりを問いただしていたが、何とも歯切れの悪い返答で、自分も投資していたから、終わったことだから、20年前だからなど言い訳にならぬ言い訳をしていた。

安愚楽牧場問題は何も終わっていない
 すでに明らかになっていることだが、「全国安愚楽牧場被害対策弁護団は、2月中にも損害賠償の訴訟を起こすことを、裁判所の手続を通じて海江田氏に通告済み」(紀藤正樹弁護士のTwitterより)なのだ。このような状況にある人間を最大野党が党首に選ぶとは、何とも呆れた状況である。

 戦後最大の消費者被害である安愚楽牧場問題は何も終わっていない。2013年、いよいよ詐欺事件として動き出すし、警察の捜査も予定されている。広告塔にも前述したように損害賠償請求がなされるのだ(本来ならば、もっと早くやってもよかったが、総選挙に対する気遣いなのだ。それすら推し量れないから、代表選に立候補するのだろう)。

 さて、2012年は振り込め系詐欺が猛威をふるった年であった。特に劇場型は完成度を高めていき、巨額の被害を全国にもたらしている。社債や抵当証券など様々な有価証券や、土地の権利などを餌に「購入すれば倍額で引き取る」といった騙しを行った。数千万円単位で被害を受けた人も多数出た。

世情に合わせて増えるトラブル系の詐欺

 また、いわゆるオレオレ詐欺(トラブル系振り込め詐欺)も増加し、振り込みではなく手渡しという新しいスタイルで被害を生み出した。金融機関対策として「主人の入院費」「家のリフォーム代」など言い訳まで指導する徹底ぶりで、窓口で注意されたにも関わらず4000万円も騙されてしまった被害者が出ているほどだ。

 この傾向はおそらく2013年も続くだろうと思われる。トラブル系は世情に合わせるところがあるため、たとえば強制わいせつで逮捕される人が増えれば「痴漢の示談金」といった嘘がまた増えることだろう(実際、NHKやJRなど有名団体の職員や企業の社員が逮捕されている)。

 個人情報保護法も名ばかりで、個人情報は漏れっぱなしであり、「名簿屋」は平気で商売をしているため、ピンポイントでの騙しが増えており、これも続くだろう。医者だと分かっていれば「医療ミス」を仕掛けることになるし、教育者であれば「教え子を怪我させた」「妊娠させた」などになる。

 とにもかくにもトラブルを名乗る振り込め詐欺に関しては、本人と直接連絡を取るしかない。2013年に被害を増加させないためにも、これを徹底して啓蒙してほしい。「電話番号が変わった」という連絡が入ったら、必ず前の電話番号にかける、そして、本人ととにかく会う、これだけで被害は防げるのである。

パンフレットと電話には要注意

 問題は劇場型のほうで、こちらは巧妙さが増している。騙す側も元商品取引会社や元証券会社、元電話セールス会社の社員など、口の達者な人間もいるため、営業トークが板についていることが多い。また、売り込みパンフレットが送り付けられた後で、消費者センターなどを名乗り「詐欺が増えている」と伝えた上で、相手にパンフレットの社名を言わせて「そこは問題ありません」と保証するような悪質手口が当たり前になっている。

 おそらく、そして、残念ながら被害額という点では2013年もこの「振り込め系詐欺」が圧倒的なものになるだろう。それだけに、うまい名称を警察庁には考えて欲しいものだ。ほとんどが手渡しになっていることや、トラブル系に加えて劇場型が増えていることもある。いかに、犯罪形式を理解させるかが重要になる。

 こうした場合、大切なのは話を簡略化することだ。個別具象的にすればするほど、話が難しくなる上に、「ここが違うから大丈夫」といった抜け穴が増えてしまう。

 「パンフレットを送ってきて、電話があったら、それが誰であろうと詐欺です」ぐらいでちょうどいいのである。

 次に、前回ここで伝えたステルスマーケティング。芸能人利用はしばらくは控え目になるだろうが、より巧妙になると思われる。いかに宣伝臭さをなくすか、そして、トラブルにならないようにするか、詐欺師たちは懸命に考えていることだろう。ペニーオークションでやらなくなっても、ダイエットや健康などで同じことが行われる。これに加えて、ネット上の有名人、いわゆるパワーブロガーを利用する可能性もある。それも本物だけではなく、作り出されたニセパワーブロガーという手法もある。

 つまり、ステルスマーケティングをやるために、まずは、有名ブログを作り出すためのステルスマーケティングをやるという、二重構造だ。

「広告塔」への損害賠償は認められるか

 Twitterなど様々なSNSを利用して、「ネット有名人」を作り出すことができれば、その人間を利用するだけのこと。露骨にシステムや商品の宣伝をせず、「新しいビジネスの分析」など穏当に見せかけておいて、結果としてはまるように持ちかける手法になるだろう(冒頭で述べた安愚楽がまさにそうで、海江田氏は自身の連載で巧みに参加するような文言を連ねていた)。

 広告塔への損害賠償が認められるかどうか、2013年はこれも要チェック。マルチ商法など悪質商法や詐欺まがい商法を、安直に宣伝すれば、宣伝に加わった人間も弁済義務を負うといった判断が出る可能性もある。

 もうひとつ増えるだろう可能性は、エコロジーや環境、エネルギーに関わる詐欺だ。自公連立による安倍政権になったわけだが、それでも原発再稼働は簡単にはできないし、原発の新設も容易ではないだろう。

 となれば、再生可能エネルギーがより重要視されることだろう。太陽光や風力などの設置に関わる悪徳商法、詐欺商法に注意が必要だ。安い見積もりをしておきながら、いざ設置したら「おたくの屋根では特殊な工具が必要だった」「修繕が必要だったのでやっておいた」など追加料金を請求したり、発電量がでたらめだったりなど、リフォーム詐欺同様の手口に注意しなくてはいけない。

ニセ科学の横行を許してはいけない

 ひとつ安倍政権になって気になるのは、安倍総理がオカルティックな、つまり非科学的な「水からの伝言」などに肯定的と思われるところだ(とくに奥様が)。

 詐欺は基本的にオカルトと親和性がある。ニセ科学も詐欺を支えている。ホメオパシーやデトックス、プラズマクラスターなどの多くは科学的根拠に著しく欠ける(プラズマクラスターについては検証が行われ、通常空間ではほとんど効果がないという実験結果がある。消費者庁からも指摘されている)。

 ニセ科学について肯定的とも思われるような人物が国のトップにいると、それを利用しようとする連中が出てくるのは当然だ。これもある主のステルスマーケティングのようなもので、潜在的に詐欺や悪徳商法を支えることになるのだ。

 環境問題が大切なのは言うまでもないが、だからといって、ニセ科学が横行していいはずもない。放射能除去効果があるといった詐欺商品は現在でも多数出回っているし、なかには大学教授が関わっているケースまである。見分けるのが難しいという側面は確かにある。だが、科学が分からなくても、判別する方法はある。

新しい制度や条例ができた直後は詐欺が多発する

 それは、本当に効果があるのならば、一民間企業や組織「だけ」が喧伝することはないということだ。そこをつつくと彼らは「企業や学会が圧力を加えている」といった言い訳をする。

 ふざけてはいけない。本当に環境や人体にいいものであれば、特許料を払ってでも使うのが当たり前だ。利益追求を当然とする企業ならましてや、だ。「あなただけに」の甘言に乗ってはいけない。

 2013年、本来ならば新政権になり山積する経済問題や外交問題、エネルギー問題の解決が望まれる年だ。少なくとも、詐欺師たちが「変化」を喜ぶような年にだけはしたくない。

 新しい制度や条例(法律)ができた直後は特に詐欺が多発する。そういう意味でも国や行政の動きには(賛否は別として)敏感になっておく必要があるだろう。

夏原武(なつはらたけし)

作家
1959年生まれ。雑誌編集者を経てフリーランスに。著書に「サギの手口―最新裏仕事人列伝」(データハウス) 「現代ヤクザのシノギ方」(宝島社)「バブル」(同・共著)など多数。漫画原作として「新クロサギ 13」(週刊ビッグコミックスピリッツ)「新・逃亡弁護士 成田誠 1 」(月刊 ビッグコミックスピリッツ)などを連載中。

近著に「震災ビジネスの闇」(宝島SUGOI文庫)、「反社会的勢力」(洋泉社新書y)。